測定器について
私が常備している測定ツールのリストです。
種 別 | 概 要 |
デジタルマルチメーター | ソアー社製 内部抵抗が非常に高い |
アナログテスター | 三和社製 内部抵抗が高い50kΩ/V 非常に確度が高い |
P-P検波器 | 自作 低電圧用 高電圧用 など各種 |
オーディオ2トーン発振器 | 自作 F1:680Hz F2:2300Hz 低歪率 ウインブリッジOSC |
9MHz2トーン発振器 | 自作 F1:8,998.5KHz F2:9,000.5KHz Out put Level : -10dbm |
50MHz2トーン発振器 | 自作 F1:50.1MHz F2:50.11MHz Out put Level : -20dbm,-10dbm |
ノイズフィギュアー測定器 | 自作 ノイズゼネレーター部および測定部 |
低周波減衰器 | メーカー不詳 1db,2db,4db,8db,16db 加減算式簡易型 2台 |
高周波減衰器 | ヒューレットパッカード製 120db(10dbStep), 12db(1dbStep)各1台 |
高周波ダミーロード | 自作 10Wまで(PEPなら20Wまで) 出力計用検波回路内臓 |
広帯域ダイレクトコンバージョン復調器 | 自作 5MHz〜50MHz |
パソコン及びAUDIO用AD-DA変換器と処理プログラム | AD-DA変換器はPC内蔵 処理プログラム名はSound it(I.Oデータ社製) |
接続プラグ変換アダプター及び同軸コード | 各種 |
周波数カウンター | 自作 Audio〜55MHz 送受信周波数表示と兼用 |
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高周波レベルの測定
- ダイオードを利用して波形のP-P値を測定する簡易な測定で、送信機の動作確認が充分可能です。
- ダイオードの特性を利用して、微小レベル検出用 出力計用 など、各種用途のものを用意しておくと便利です。
- 検出値の読み取りには 内部抵抗値の大きいデジタルテスターが最適です 高内部抵抗のテスター(50KΩ/V以上)でも注意して使えば可能です。
- 私が試用した各種ダイオード P-P検波器の成績を次に並べておきます。
- 同じ高周波電源で各検波器出力電圧をデジボルにて測定したもの。
- 指示値の高いものが、より真値に近いものと考えられる。
- 1SS16 :4V P-Pまでは最良。検出の感度が高く 信号の有無 の判定などに有効。
- 1SS106E :500mV〜10VP-Pまでの測定には最良。内部抵抗が低く低電圧でもテスターが良く振れる。
- 1S73 :4V〜10VP-Pまでの測定値は信用できる。テスターでは誤差が大きくなる。
- 1S1585,1S953 :シリコンダイオードは、耐電圧が高いので、出力電力計などの使用に適する。
検波器をP-P検出型にしている理由は
- 増幅器の出力レベルは P-P値で表しますから、その出力レベルがこの増幅器にとって余裕があるものなのかどうかなどの判断は直感的にできます。
- SSBの出力電力はPEP(ピークエンベロープパワー)で表示する約束になっていることです。
正弦波の実効電力Pは P(ワット)=E2/R Eは実効値 Rは回路の負荷インピーダンスですから、負荷端子電圧の P-P値が測定出来れば その実効値Eは E(P-P)/2/√2であり簡単に計算できます。
- 2トーン信号 音声信号 などの歪波形でも、P-P値から割り出した正弦波の実効値で出力電力を計算し 尖頭電力(ピークエンベロープパワー)・・・・W(PEP)と表示します。
検波器の示す測定結果に依存するについての私の考え
検波器の確度に関しては 低レベル部分を測定する場合と 高レベル部分を測定する場合と
に分けて考えることにしています。
- 1SS16
- VF-If特性は0.5Vもあれば整流能率は80%以上あり 0.25Vでも50%はありそうです、0.5V以上でも80%以上には良くならないとデーターには記載されています。
ただ負荷の軽重によって結構違ってくるみたいで、デジボルの様な軽負荷で測定する場合など1Vも あれば測定値をそのまま信用しても支障ないのでは?と思います。
- 1SS106
- 1SS16に比較してやや感度が低い感じですが、このダイオードのよいところは
- 低電圧でもIfを多く流すことが出来る。
50mV程度の低電圧でも テスターの針がよく振れ 有効に使える。
- Er10VでもIrは少ない。
1.5V〜10Vの間は、このデーターには記載していませんが各種ダイオードの中で最高の測定値を示します。
100mW程度の電力測定ならこの値をそのまま信用してもよいでしょう。
- 1S953,1S1585
- 高耐電圧 低逆電流(Ir)ですから、電力計への使用に適しています。
私は20Wダミーロード兼電力計の検出値を無補正で使用しています。
BIRD社の電力計と比較する機会がありましたが、違いはありませんでした。
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簡易スペクトルアナライザーについて
かねてから自局の発射する本当の音質を確認したいと考え、計画していたダイレクトコンバージョン復調器を製作し、自分の声を送信機のダミーロードから復調してパソコンに録音し、確認・調整を行いました。
最初の目的は変調器のキャリアーポイントの調整でした、わずか50Hz ? 周波数を変えるだけで ずいぶん聴感が変化することが判ったのが収穫でした。トランシーバーの送信部が良い音質であることを確認し安心しました。
私 ここで思いつきました。
以前から持っている 僅か1万円そこそこの オーディオ処理のAD-DA変換器と付属しているパソコンソフトの中に オーディオスペクトルアナライザーのソフトがあることを思い出し これも かねてから自作し重宝して使っているオーディオ2トーン発振器で変調して 復調器を通し このスペクトルアナライザーで観測しましたら、なんと 私が所有することを夢にまで見た高価な高周波スペクトルアナライザーと同様な波形がデシベル目盛の表示付きで観測できるではありませんか!!
最初に目にした波形は こんなにすっきりした波形ではなく 数多くの偽信号(スプリアス)が並び立ってなんだか判り難いスペクトル波形の集団でした。
- 復調器の入力レベルを入力アッテネータで適正にしました
入力レベルは数ミリボルト(10mVP-P)以下にしないとスプリアスが発生します。
これでもまだ完全には無くならないので無視することにしました。
- 復調器のL.Oレベルを適正にしました。
使用した受信用DBMは 3dbパッド前で+10dbm(10mW)以上必要でした。
- 正確な表示を得るため L.Oには C/N比の良いピュアーな波形が必要です。
私は水晶発振器を使っています。
9MHzなど低い周波数の復調にはDDSは波形がきれいで重宝します。
- ダイレクトコンバージョン復調器のL.O周波数(復調周波数)をどう選ぶかが重要な問題になります。
私の場合 L.O発振器は水晶発振器の固定周波数ですので、送信周波数を変化させています。
- TXを2トーンで変調して送信周波数と復調器のL.O周波数をゼロインすると観測される波形は本物のスペアナで見るような2つの変調波を中心にして左右に3次5次7次9次11次と高次の歪波が並ぶ典型的な波形ではなく
変調波2つを左端の低い周波数に表示する。
変調波より高い側の歪波は正常に周波数の高い方に表示される。
変調波より低い側の歪波は折り返して周波数の高い方に表示される。
(3次歪はf2−f1−f1に現われる)
私の2トーン発振器はf1:680Hz f2:2300Hzですから
3次歪は940Hzに、
5次歪は940+2300−680=2560Hzに、
以後f2−f1の間隔で順次に現われ見づらい事になります。
- ここで送信周波数と復調周波数の差を10KHzばかり離すと、
f1とf2は右側に移動し 本来のスペアナで観測したような波形が現われます。
けれども未だレベルの低いスプリアスが散らばっていてすっきりしない波形になっています。
- 更に周波数を微調すると
散在するスプリアスは表示画面の外へ追い出されるものと、寄り集まって来て3次5次7次9次歪の中に包括され消えていくものがあり スペアナ本来の波形に近いものが観測できるようになります。
このとき 測定するべき歪とスプリアスのレベルが等しいとふたつのレベルは復調された位相差により加減され大きい誤差になります、少し復調周波数(位相)がずれるとビートになりレベル変動になります、復調周波数が少し多めにずれるとビートにはなりません、また表示画面の解像度はそれ程良くありませんからうまく復調周波数を微調整すると正確で格好よい表示(測定)ができます。
- 復調器から発生する 容易に取りきれない大きいスプリアスがあります。
送信系の歪と違う配列で発生し 区別が付けられるので無視することにしました。
上記では変調の信号源をオーディオ2トーン発振器として述べましたが、きれいなパターンで迷いなく観測したいので、他にも 9MHz,50MHzの2信号発生器を自作して、用途に応じて使い分けています。
この簡易スペクトルアナライザーで観測困難なものには
- 高調波
- 局部発振器からの漏れ
- 予想しなかったスプリアス
など考えられます。
何れも ダイレクトコンバージョン復調器の局部発振器を整備すればよいことですから、DDSをもう1台持つとか工夫をすれば 経済的にもうまい具合に解決できそうです。
簡易にスペクトルを観測出来る様になったことで 自作リグへの改良目標が定め易くなり、リグに対する信頼も一段と強まりました。
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ミクサーユニットのスペクトル波形 ファイナルユニットのスペクトル波形
Test Signal Input にあるDBM前置増幅器(2SC2668使用)は 微小レベル観測用に設けましたが、
この送信機を観測するためには不要でした。
- 出力側の100KΩVRは、2信号のレベルバランス調整用です。
- 1KΩVRは、発振の立ち上がりに動作点をセットする調整用です。
- FETの回路は、出力レベルを自動的に一定に保つために必要です。
- ドレインの360KΩはややクリチカルでカットアンドトライが必要です。
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この項おわり